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'94 ライディングスポーツ No132 2月号 NORICK  全日本500
初参戦の500でチャンピオン決定
しかしエントリー台数の減少などの諸事情により、この年で全日本の500クラスが消えた。エントリー台数は10台に満たない時もあった。
92年筑波選手権。

第1コーナーでものすごい走りをしているのがいると話題になり、イン側フェンスに向かうとすでに関係者も含めた見物人が鈴なりになっていた。 TZ250でコーナー侵入から前後輪が滑り出しまるでダートトラックのようにカウンターをあててコーナーを抜けて行った。
彼が1コーナーを抜ける度に“おぉーっ”と歓声があがった。それがノリックこと阿部典史だった。

この年ヤマハ系の有力ショップだったOX(オーエックス)エンジニアリングの新しいチームヘルメットのデザインを手掛た。
ちょうどその時ノリックがOXにチーム員として入り、その事が当社とつながるきっかけとなる。
93年、大抜擢でブルーフォックスホンダから当時国内最高峰クラスのGP500クラスに参戦。
この年のシーズン前に昭栄ヘルメットよりノリックのヘルメットデザインの依頼があった。
実際のところ走りは見てすごいと感じたが、全日本のいきなり500クラスでまともに走れるのか?というのが本音だった。
自分としては若くて話題性もあるのでちょっと変わったデザインで行こうとすぐに大体のイメージは出来上がった。
そのころケビンコスナー主演のダンスウィズウルブスというインディアンを題材にした映画のビデオを借りてみていた事もあり、酋長の頭の羽飾りからアイデアが生まれた。顎の部分の日の丸は、このまま世界に行って欲しいとの思いと星はインパクトを付けるため、そしてサイドの矢はやはりインディアンの弓矢がモチーフである。
93年というこの年は全日本ロードレースにおいて特別な年だった。トップカテゴリーである500クラスの最後の年となったからである。
エントリー台数の減少が主な原因であり平均9台〜10台の出走であった。 本場のヨーロッパを見ても500クラスの国内選手権を行っているところがなかった中で、500CCのレーシングマシンを製造している3大メーカーを有している事もあり世界で唯一日本が選手権を開催していた。
'95ライディングスポーツ N0154 11月号
SHOEI X-8V NORICKモデル広告。
既存のレプリカにマルボロマークとタグホイヤ−のスポンサーロゴが入った、よりレプリカ度のたかいモデル。
それが無くなるというのは世界GPの500クラスにステップアップするライダーにとっても少なからず障害になり、世界とのレベル差が増々広がるのではと懸念された。 初参戦のノリックは新人とは思えない走りで見事チャンピオンを獲得。

翌94年、鈴鹿での世界GPにスポット参戦する事になった。
それにともない昭栄よりレプリカが発売になる。 この年の日本GPは日本人が大活躍した。
まずGP3(当時125クラスはGP3、250がGP2、500をGP1と呼んでいた。)
で辻村選手が優勝、2位に坂田、3位に仲城と表彰台を独占。
GP2でも岡田が優勝、3位に宇川が入った。
GP1では優勝はなかったが伊藤が3位表彰台を獲得した。
'94ライディングスポーツ N0137 6月号
SHOEI NRV Norickレプリカ発売。
この広告は凄くインパクトがあった。
このデザインで使われた星と羽がその後のトレードマークとなった。
しかしこの年のGPでの主役はやはりノリックだろう。
ドゥーハン、シュワンツ、クリビーレ、コシンスキーなどそうそうたるメンバーのなかで予選7番からスタートし残り3周までトップ集団で大バトル、最後はスパートを掛けたシュワンツを追って第1コーナーでクラッシュ。
何にぶつかったのかドッドーンという大音響とともにレースを終えてしまった。彼自身は歩いてピットに戻ったらしいが。
2年前までは地方選、500CCのバイクに乗りはじめて1年とちょっとの人間が世界のトップを走っているなんてまるで漫画の世界のようだが、目の前の現実があると、とんでもない奴が出てきたものだなと感慨深かった。それも日本人でである。このレースを見たバレンチーノ・ロッシが好きなライダーとして自分のバイクにろっしふみとステッカーを貼っていたのは有名な話だ。

これがきっかけで翌シーズンからバイクをヤマハに替え、チームレイニーからGP1にフルエントリーを果たす。
その後の活躍はご存じの通り、優勝は3回を数え04年の今年もゴロワーズヤマハに所属、日本人のトップとして活躍している。 ヘルメットは現在に至るまで計5回デザインを替えているが、(2回は当社、トロイリー1回、昭栄社内デザイン2回)うれしい事にベースとなる星と羽は常にモチーフとして取り入れられノリックのイメージとして定着している。
資料協力:ライディングスポーツ
若井 伸之
坂田 和人
原田 哲也
阿部 典史
加藤 大治郎
上田 昇
宇川 徹
アレックス・クリビーレ
玉田 誠
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